トップ > 乳酸菌の種類と効果 > L-92乳酸菌(ラクトバチルス・アシドフィルス・L-92株)の効果

L-92乳酸菌とは

L-92乳酸菌とは、カルピス社が数多くの乳酸菌の中から選び抜いた菌株で、正式名称を「ラクトバチルス・アシドフィルス・L-92株」といいます。

アシドフィルス菌は乳酸菌の中でも特に胃酸に強く、整腸作用や免疫力アップ効果などいろいろな効果を期待できる菌種ですが、同じ種の中にも多くの株があり、そのひとつがL-92乳酸菌ということです。

L-92乳酸菌にもお腹の調子を整える作用や、免疫力アップなどの効果を期待できますが、この菌株が注目されているのはその免疫調節機能にあります。

L-92乳酸菌は免疫のバランスを整える作用に秀でており、アトピー性皮膚炎や通年性アレルギー性鼻炎、季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)などへの有効性がいろいろな試験で確認されています。

アトピー性皮膚炎への有効性

アトピーや花粉症などのアレルギー疾患を訴える患者の数は、年々増えているようです。

アレルギー症状が起こる原因については「アレルギー症状を軽減する乳酸菌はどれ?」「Th221株(テトラジェノコッカス・ハロフィラス・KK221株)の効果」などで説明したとおり、免疫細胞のバランスの崩れが主因です。

ヘルパーT細胞という免疫細胞には、Th1とTh2がありますが、そのバランスがTh2側に傾いたときにアレルギー症状が出ます。そして、ビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌には、このバランスを改善する働きがあります。

L-92乳酸菌にもそのような免疫調整機能があり、しかもそれがほかの善玉菌とくらべて強いのではないか、ということが各試験におけるデータによって考察されているのです。

まず小児のアトピーに対する効果についてですが、以下のカルピス社のサイトに詳しく試験結果が書かれています。

参考 : アレルギー症状緩和の証明 | カルピス社の健康情報室

15歳以下のアトピー性皮膚炎患者20名を対象に、L-92乳酸菌を8週間つづけて摂取してもらうという試験がおこなわれました。その結果、皮膚のかゆみなどの症状が改善されることが確認されました。

また、ステロイド軟膏を使う量が減ることも確認されました。

ステロイドは効果がありますが、薬をやめるとき、いわゆる「脱ステロイド」するときには抑えられていた症状が一気に出て悪化してしまうということがよく言われますので、その使用量を減らせるというのは非常に良いことです。

12歳以下のアトピー性皮膚炎患児を対象にした、同じく8週間のL-92乳酸菌の摂取試験でも、ステロイド軟膏の使用量の減少、過剰な白血球数の低下などが見られており、やはり有効性が確認されています。

さらに、子供だけでなく大人のアトピーに対する効果が期待できることも、別の試験でたしかめられています。18歳以上、54歳以下のアトピー患者約50名を対象に、L-92乳酸菌を8週間摂取してもらうという試験がおこなわれました。

その結果、皮膚炎スコアの低下、アレルギー性炎症によって増加する好酸球というものの血中の数の低下も確認されたのです。

3歳未満の乳児を対象にした試験でも、同じようにアトピー症状の緩和がたしかめられています。赤ちゃんから大人まで、幅広い年代についてアトピー症状への有効性が確認できているのです。

アレルギー性鼻炎への有効性

日本人の国民病とも言われる花粉症。また、特定の季節だけでなく1年間、たえず眼や鼻の症状に悩まされる通年性アレルギー性鼻炎。これらの症状にも、L-92乳酸菌の効果が期待できます。

通年性鼻炎の症状が出ている患者49名を対象に、L-92乳酸菌を含む飲みものを飲んでもらうという試験がおこなわれました。

その試験の結果、鼻水や鼻づまりなどの鼻の症状、眼のかゆみといった眼の症状について、緩和することが確認されました。しかも、ほかの薬では起きる、眠気や頭痛、めまい、吐き気、口の渇きなどの副作用は見られませんでした

また、花粉症患者80名を対象に、特殊な施設内でスギ花粉を曝露したあと、L-92乳酸菌を8週間摂取してもらい、その後また花粉を曝露するという試験がおこなわれました。

その結果、眼の症状と鼻の症状の緩和が認められ、またアレルギー因子である2型ヘルパーT細胞(Th2)を活発にする物質の増加が抑えられる傾向もたしかめられました。

というわけで、L-92乳酸菌には花粉症やそのほかの鼻炎を緩和する効果を期待できるのです。

L-92乳酸菌を含むサプリとヨーグルト

L-92乳酸菌はカルピス社独自の菌株であり、カルピスが製造・販売する製品に含まれています。

L-92乳酸菌を含む飲み物として「守る働く乳酸菌」があります。これはヨーグルトではなく乳性飲料なのですが、菌数は公表されていないもののある程度の量が入っていることが期待できます。

ただし、1本200mlあたりに炭水化物が13.4g含まれているので、糖質を抑えたい場合には不向きだと思います。

L-92乳酸菌が配合された善玉菌サプリメントとしては「アレルケア」があります。こちらには、1日分2粒あたり、20.7mgのL-92乳酸菌が含まれています。やはり菌数は非公表のようですが、上記の飲料よりは多いのではないでしょうか。

炭水化物が0.58g、脂質も0.03gで、カロリーは2.64kcalです。「守る働く乳酸菌」よりもはるかに低カロリーであり、おそらく含まれている菌の数が多いので、こちらのほうがオススメです。

しかし、善玉菌サプリはアレルケアだけではありません。いろいろな健康効果が期待できるビフィズス菌や乳酸菌が含まれたサプリメントが、医薬品メーカーなどから出ています。

このサイトで紹介しているほかの善玉菌や、それらを含むサプリメントも、ぜひ参考にしてください。

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