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オリゴ糖は善玉菌を増やす
便秘は早めに解決したいもの。そのために下剤や浣腸などの便秘薬に手を出してしまうこともあるかもしれませんが、できれば薬によって解消するのではなく、自然なお通じを目指したいですよね。
自然な排便を望む人にオススメなのが、腸内環境を整えることを通して便秘解消や予防へとつなげられる食品成分の「オリゴ糖」です。
オリゴ糖とは、ブドウ糖や果糖などの単糖(ひとつの糖)が複数つながってできている少糖類とも呼ばれる食品成分のこと。このオリゴ糖は各種試験によって、ビフィズス菌を増殖させる機能があることがわかっています。
「善玉菌を増やす食べ物」「便秘解消に効くオリゴ糖と食物繊維」でも少し説明していますが、このように腸内の善玉菌を増やす作用のある食品成分を「プレバイオティクス」といいます。
ビフィズス菌や乳酸菌などの、生きたまま腸まで届いて人体に良い影響を及ぼす微生物を「プロバイオティクス」といいますが、それとは1字だけ違います。「ロ」と「レ」の違いですね。
オリゴ糖の種類とメリット
難消化性で整腸作用があるとされるオリゴ糖としては、以下の種類が確認されています。
- ガラクトオリゴ糖
- 乳果オリゴ糖
- キシロオリゴ糖
- ビートオリゴ糖(ラフィノース)
- フラクトオリゴ糖
- イソマルトオリゴ糖
- 大豆オリゴ糖
- ミルクオリゴ糖(ラクチュロース)
オリゴ糖は甘味料としても使われますが、1gあたり約2kcalという砂糖の半分程度のカロリーなので、糖質の摂り過ぎを気にしている人にオススメです。
ちなみに、オリゴ糖は単糖が2〜10個ほど結合したものをあらわしますが、2個だけ結合した麦芽糖やショ糖、乳糖などは小腸で吸収されてしまうため、ビフィズス菌のエサとしての働きはあまり期待できません。
3個以上の糖がつながったオリゴ糖の良いところは、そのほとんどが人間の持つ消化酵素では分解できないため、消化されずに腸まで届くということ。これを難消化性と呼び、プレバイオティクスのひとつの要件となっています。
分解・吸収されずに大腸まで届いたオリゴ糖は、すでに腸に生息している、つまり自分の腸に適した種類のビフィズス菌を増やします。また、ビフィズス菌がオリゴ糖を分解することで腸内の有機酸が増えます。
ビフィズス菌は乳酸や酢酸などの有機酸を産生しますが、善玉菌よりも酸に弱い性質をもつ悪玉菌は、有機酸の作用によって減少します。また、有機酸が腸を刺激して腸の「ぜんどう運動」が促進されて、排便へとつながります。
オリゴ糖を摂取することでこれらの作用が働いて、お腹の調子が整うというわけです。
オリゴ糖でビフィズス菌はどの程度増えるか
どれだけビフィズス菌が増えるかということですが、腸内細菌学のパイオニアである光岡東大名誉教授の著書「人の健康は腸内細菌で決まる!」には、以下の例が掲載されています。
- 1日3gの乳果オリゴ糖を1週間摂取したところ、腸内のビフィズス菌の占有率が38%になった
- 1日8gのフラクトオリゴ糖を2週間摂取したところ、糞便中のビフィズス菌の数が約10倍になった
また、ヤクルト本社中央研究所と昭和女子大学大学院生活機構研究科による研究で、ガラクトオリゴ糖を摂取することによって、ビフィズス菌占有率が増加することが確認されています。
参考 : 新ガラクトオリゴ糖含有液糖がヒト腸内菌叢に及ぼす影響
摂取の際の注意点
オリゴ糖は低カロリーの甘味料として使われることもありますが、糖分なので摂り過ぎは禁物です。
カロリーが低いことはメリットですが、甘みも砂糖の60〜70%程度と言われています。ヨーグルトなどを甘くしようとしてたくさん入れてしまっては、結局、糖分の摂り過ぎになってしまうので、それは気をつけましょう。
また、オリゴ糖は基本的には善玉菌であるビフィドバクテリウム(ビフィズス菌)の栄養源になりますが、オリゴ糖の種類によっては、日和見菌のバクテロイデスや悪玉菌などもエサとして利用することがあります。
そのため、オリゴ糖を摂取するとお腹がゴロゴロ動いたり、ガスが溜まっているように感じたりすることがあります。これは悪玉菌がオリゴ糖を分解してガスを発生させるためです。
しかし、そういった状態になっても心配はいりません。多くはビフィズス菌のエサになり、その増殖を促進します。その結果、悪玉菌の数は減り、悪玉菌がつくりだす有害なガスの量も減ることになります。
それまでのあいだは辛抱が必要ですが、なるべく毎日摂取するということを続けるようにしましょう。
食べ物で摂る
オリゴ糖は食べ物に含まれていますが、その量はあまり多くはありません。
たとえばガラクトオリゴ糖は母乳に含まれていますが、それを摂取できるのは乳児だけですし、玉ねぎやアスパラガス、ゴボウ、ハチミツなどに含まれているフラクトオリゴ糖も、それらからはわずかしか摂れません。
甜菜(てんさい)から抽出されるビートオリゴ糖(ラフィノース)、大豆ホエーから抽出される大豆オリゴ糖、トウモロコシに含まれる食物繊維を分解して作られるキシロオリゴ糖も、食事で得られるのはごく少量です。
というわけで、食べ物でオリゴ糖を摂取するのは難しいです。毎日数グラムを摂りたい場合は、サプリメントや特定保健用食品(トクホ)などで補うようにしましょう。
サプリで摂る
オリゴ糖を含む特定保健用食品としては、味の素の「パルスイート ビオリゴ」が有名です。
この商品には1日の摂取目安量13gあたり、4gのフラクトオリゴ糖が含まれています。液体タイプなので、ヨーグルトなどに混ぜやすく、気軽に食べられるのが良いところ。
しかし、トクホとして認められているので一定の効果は得られると思いますが、オリゴ糖の含有率は30%ちょっとです。そのほかに酸味料・保存料・甘味料などの食品添加物が多く含まれています。
添加物を摂ることは、あまり腸内環境に良い影響を与えません。そこでよりオススメなのが、ネット通販で購入できる「カイテキオリゴ」です。
カイテキオリゴは純度ほぼ100%のオリゴ糖製品で、しかも複数の種類のオリゴ糖が含まれています。ビフィズス菌によって好みのオリゴ糖は違うため、複数あることでより効果的に働くと考えられます。
添加物は一切入っていないため、妊婦さんや赤ちゃんでも安心して摂ることができるのも、良いところ。NPO法人日本サプリメント評議会に、安心・安全評価製品として承認されています。
デメリットとしては、すこし溶けにくいということと、価格が市販のオリゴ糖製品よりも高いということですね。
顆粒タイプなので、ヨーグルトに混ぜるときは少し気合を入れる必要があります。サボると、若干ですが粉っぽさが残ります。しかし、温かい紅茶やコーヒーに混ぜればすぐに溶けるので、その場合は気になりません。
価格については、たとえば市販のビオリゴが270gのボトルで530円ほど。そのうちオリゴ糖の含有量は約83gなので、オリゴ糖 1gあたり6.4円くらいという計算になります。
カイテキオリゴにはいくつかコースがあり、選ぶコースによって価格が異なりますが、毎月1個のコースにした場合は、150gで2,758円。オリゴ糖が100%含まれるとして計算した場合、1gあたり約18.4円です。
ビオリゴよりもカイテキオリゴのほうが価格が高く、およそ3倍の値段です。純度ほぼ100%で無添加のものにするか、それとも添加物には目をつぶって安いほうにするか、どちらかですね。
個人的には、添加物の入っていないカイテキオリゴがオススメです。比較すると価格が高いですが、1ヶ月3,000円しない程度なので、大した負担ではないと思うからです。
ただ、どちらにしてもオリゴ糖は摂取できるので、まずはスーパーで買えるビオリゴで試してみて、よりたくさんの量を摂取したいと思ったときにはカイテキオリゴにする、というのも良いと思います。
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